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Premiere Proを使い始めて、最初に出会う言葉にシーケンスというものがあると思います。
初めて動画編集をしようという人には、馴染みのない言葉ですよね…
まずは、そこから説明していきます!
シーケンスって?
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シーケンスとは、動画を編集する土台になるもので、よく「まな板」に例えられたりしています。
このシーケンス上に素材となる動画や画像、テキストを並べていきます。
動画を編集する際は、このシーケンスを映像素材や目的のフォーマットに合わせて設定します。
設定の仕方は2種類
では、具体的に設定の仕方を説明します。
設定の基準は、何に使う動画か(Youtube、SNS投稿用など)によって決めると良いです!
プリセット設定
Premiere Proでは、あらかじめプリセットされた設定があり、簡単に動画に適した設定ができます。
ただ、わからない単語がたくさん並んでいるし、最初は何をどうしていいのかわかりませんよね…
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…??
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このARRI、AVC-intra、…というのは、それぞれカメラの機種や映像のフォーマットを表しています。
撮影したカメラと同じものがあればそれに合わせればいいのですが…。
案件を取るようになれば、指定もあるかもしれませんが、自分で作成する場合などはあまり深く考えなくても大丈夫です。
ARRI 1080P 29.97
AVCHD 1080P 30
などを設定して使います。
どのようなものか簡単に説明すると、 ARRI:映画などで使うカメラ「ARRIFREX」で利用されるもの AVCHD:多くのビデオカメラに対応しているもの
カスタム設定
特にプリセット設定を使用しない場合は編集モードを「カスタム」にして、次の3点を設定します。
SNS推奨サイズで作成したい時などはこのカスタム設定でいいと思います。
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カスタム設定の仕方です!
シーケンス設定で必要な3項目
フレームサイズ
フレームサイズとは、画面サイズのことです。
「フルHD」や「ハイビジョン」「4K」「8K」などのことをいいます。
耳にしたことがありますよね!
まとめてみると…
フレームサイズ | 例 |
SD(720×480) | DVDなど |
HD(1280×720) | Play Station3など |
FHD(1920×1080) | TV、Play Station4、Youtube、Vimemo、など |
2K(2560×1440) | 映画など |
4K(3840×2160) | 映画、NETFLIXなど |
8K(7680×4380) | NHK BS8Kなど |
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各SNS推奨のフレームサイズは、こちらの記事も参考にしてくださいね!
シーケンス設定と合わないサイズの画像(映像)を入れた時
フレームサイズがシーケンス設定と合っていないと「クリップの不一致に関する警告」というエラーボックスが出てきます🙀
警告と言われると、最初はびっくりしますが、結構しょっちゅう出てくるものなので、そのうち慣れます^^;
心配しなくても大丈夫です。
シーケンス設定で目的のフォーマットに合わせた場合は設定を変更せずに「現在の設定を維持」を選択して、画像(映像)を縮小拡大して使用します。
<サイズの合わない画像を入れた場合>
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(1920×1080のシーケンスに、2911×2166の画像を入れた場合)
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(1920×1080のシーケンスに、1280×952の画像を入れた場合)
フレームレート
動画は、たくさんの静止画を連続表示してできています。
これも、よくパラパラ漫画に例えられていますね!
フレームレートとは、1秒間に使うコマ数のことです。つまりパラパラ漫画の静止画の枚数ですね。
例えば29.97フレーム/秒とは、1秒間に29.97個の画像からできている動画ということです。
単位にすると「fps」と表されます。
29.97fpsという感じです。
パラパラ漫画であれば、29.97枚の絵を1秒間にパラパラする感じです。
この数字が多ければ多いほど、なめらかな映像になりますが、多いほどに重くもなります。
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29.97とか、ずいぶん中途半端な数字だな〜
なぜ???
29.97fpsは、一般的には30fpsと考えられます。
なぜ29.97なのかというと、このわずかな違いが長時間になると微妙にズレを生じさせるからです。30フレームで1秒間よりも少しだけ長くなってしまうのです。
これも、うるう年に例えられています。
うるう年のようなシステムができないので、平均して調整しているというわけですね。
微妙なズレを調整するために、こんな中途半端な数になっています!
どうやってフレームレートを決める?
フレームレートは最終的に仕上げる目的の動画によって決めるといいです。
24fps(23.976fps) | 映画 |
30fps(29.97fps) | 日本のTV、DVD、Youtubeなど |
60fps | 4K、8K TVやDVD |
動画とフレームレートが合わないと…
例えば24fpsに設定したシーケンスに30fpsの動画を無理やり入れてしまうと…
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入りきれなかった分のコマは等間隔で削られてしまいます。
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その結果、不自然な映像になってしまいます。
逆の場合もそうです。
足りない部分を飛ばすようになるので、カクついた映像になってしまいます。
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スローモーションを取り入れて動画を作る時には、より多くの画像が必要になるので、書き出すフレームレートより大きいフレームレートで撮影します。
フィールド
フィールドとは、1フレーム(パラパラ漫画でいう静止画の1枚)の中の、さらに分割された静止画を表します。
「偶数・奇数・なし」と表されていますね。
1フレームは2つの静止画で出来ています。
TVなどの画面は1080本の走査線というのがあるのですが、この2つを交互に映しだすことで映像となっていて、これをインターレース方式といいます。
これが1・3・5・7…と奇数から映し出される場合と(今のTV)
2・4・6・8…と偶数から映し出される場合があります。(昔のTV)
そして、PCやスマホの場合はこの走査線が同時に表示されるので「なし」となり、プログレッシブ方式といいます。
映画やゲームはこの方式で、
プリセットでは、インターレース方式は「i」、プログレッシブ方式では「p」で表しています。
インターレース方式
フィールドが「奇数」「偶数」おもにTVで使用される
(例:AVCHD 1080i )
プログレッシブ方式
フィールドが「なし」おもにPCやスマホで使用される
(例:AVCHD 1080p )
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インターレース方式とプログレッシブ方式の違い
インターレース方式…1秒あたりの静止画の枚数が倍になるので、なめらかな映像になる
例:ニュース、スポーツなどの映像に向いている
プログレッシブ方式…静止画を構成する走査線が倍になるので解像度が高い
例:映画などに向く。
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Youtube、SNSなどはプログレッシブ方式がおすすめです
複数の動画を使用する場合
フレームレートの高い動画に合わせてしまうと、低い部分がカクついてしまうので、低い方に合わせるようにします。
まとめ
Premiere Proで動画編集を始めると、まずシーケンス設定というところで迷うと思います。
撮影時の状況に合わせてプリセットされた設定を使うほか、カスタム設定にすることもできます。
設定の時に重要なのは3つあります。
・フレームサイズ
・フレームレート
・フィールド
フレームサイズとは動画のサイズのことで、基本的には目的とする動画のサイズにすればよく、シーケンス設定に対してあまりに小さすぎる画像・映像を入れると、画像が荒くなることがあります。
フレームレートとは、動画が1秒間に何枚の静止画でできているかを表していて、多いほどなめらかな映像となります。
フィールドとは映像の映し出され方を表しています。
インターレース方式、プログレッシブ方式とありますが、スポーツなど動きの速いものはインターレース方式、映画など質感を求めるような動画にはプログレッシブ方式が向いています。
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